トラック事故現場

2024年5月6日、ゴールデンウィーク最終日に群馬県伊勢崎市で家族3人が命を落とすという悲惨な事故が発生しました。

国道17号でトラックとワンボックスカーが衝突し、犠牲となったのはわずか2歳の幼児を含む3世代の一家。

 

被害にあったワンボックスカーの車種がわからなくなってしまったほどの事故で、事故現場の写真は本当にショッキングなものでした。

 

私にも子どもがいるので、子どもや家族が亡くなる事故を耳にするたびに何とも言えない気持ちになり、胸が苦しくなります…。

残された母親のお腹には、8月に生まれてくる命も宿っているという報道もあり、母親の悲しみは本当に計り知れません。

 

そして、数ヶ月に及んだ事故後の捜査で「飲酒運転」が原因だったことが判明し、8月20日に69歳のトラック運転手が逮捕されました。

 

楽しい休日の終わりが一瞬で悪夢に変わってしまった背景には何があったのでしょうか…?

 

伊勢崎市17号|トラックが中央分離帯を越え衝突

事故現場

事故が起きたのは2024年5月6日の午後4時15分頃。

場所は、群馬・伊勢崎市の「境交番入口交差点」近くの、見通しのよい片側2車線の車線区間。

ワンボックスカーに乗っていた家族が埼玉県内のレジャー施設から群馬・前橋市へ帰宅する途中、トラックが中央分離帯を乗り越え対向車線にはみ出し、衝突。

亡くなったのは、ワンボックスカーに乗っていた2歳児とその父親(26)、祖父(53)の3人。

 

3人が乗っていたワンボックスカーは、中央分離帯を乗り越えてきたトラックに押し出されるかたちで側道のガードレールとの間に挟まれ、車種がわからなくなるほど大破しており、衝撃の大きさがわかります。

後続にもう1台乗用車がおりましたが、こちらの女性は幸い軽症だったようです。
迫りくるトラックの恐怖は想像を絶するものだったと思います。

事故現場の走行車線

トラックを運転していた「両毛(りょうもう)運輸」に勤務の男性(69)は重症のため入院していたようですが、意識が回復し捜査が開始されました。

そして捜査の末、「飲酒し正常な運転が難しい状態」で事故を起こしたという事実が判明し、8月20日にトラック運転手の男(69)を、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで逮捕。

 

「飲酒をして運送の仕事をする」なんて、本当に狂気としか言いようがありません。

 

トラック内のドライブレコーダーの映像などから、事故当時トラックの運転手に意識はあり、中央分離帯に衝突するのを避けようとして左右にハンドルを切った後、中央分離帯を乗り越えてワンボックスカーに衝突。

現場にはトラックのブレーキ痕はなく、トラックは減速しないまま衝突したとみられ、翌日の5月7日には前橋市の両毛運輸に家宅捜索が入りました。

 

トラック運転手はアルコール依存症!?

ANNニュースの画像
【引用元:ANN NEWS

8月21日のANNニュースでは次のように報道されています。

その後の関係者への取材で、容疑者が今年に入り周囲に「酒をやめた」と話していたことが分かりました。

運転前の検査でアルコールは検知されませんでしたが、事故直後には基準値超えのアルコールが検出されました。

トラックには酒の空き瓶が残されていて、警察が詳しい経緯を調べています。【引用元:ANN NEWS

「酒をやめた」と周囲に語るというのは、「お酒の問題を抱えている」と推測してしまいます。

 

両毛運輸によると『トラック運転手の事故当日のアルコールチェックに問題はなかった』とのことですが、最新の情報では『2年ほど前のチェックで2回アルコールが検出され、業務ができなかった』ことが判明。

やはり、以前からお酒の問題を抱えていたことは間違いありません。

 

そして、事故は会社を出発してから1時間以内に起きていて、事故直後には基準値超えのアルコールが検出

 

事件をめぐっては、トラックの車内を撮影したドライブレコーダーに鈴木容疑者が酒を飲む様子が映っていなかったことが関係者への取材でわかっています。

出勤時の検査でアルコールは検知されておらず、警察は、鈴木容疑者がドライブレコーダーに映らないよう、検査後から出発までに飲酒した可能性もあるとみて調べています。
【引用元:TBS NEWS DIG

 

トラックの車内には20度と25度の焼酎220mlの空きビン2本が残されていたという状況から、これは会社を出た直後に「一気飲みをした」もしくは「運転をしながら飲んだ」ということになるのでしょう。

 

お酒に対する理性を完全に失っていることから、アルコール依存症を疑わざるを得ません。

 

怒りに溢れる世間の声

そして、このニュースには下記のようなコメントがたくさん投稿されています。

コメント
  • 酒をやめるやめないの話が出てる時点でこれまでに飲酒時にトラブルを起こしていたことが想像できる。酒で問題を起こす人でやめられた人を見たことがない。

  • 奥さんやご家族の事を考えると胸が締め付けられる…突然に。しかも、飲酒運転でなんて…。

  • 飲みながら運転してたんでしょうね。止めたどころじゃなく、車内に酒瓶を放置してるならクレイジードランカーですよ。

  • 通り魔と大差ない。

  • 長年飲酒運転していたのだろうな。こういうドライバーが運転している。恐ろしい現実。

  • 出勤時のアルコールチェック、本当にちゃんとやったのか?

  • こんな男に人生奪われるなんて…本当に辛い。

  • 犠牲になった3人がうかばれないよ。

  • トラック車内に酒の空き瓶…。以前違う事件でも高速のSAかPAで呑んで徒歩の子供を巻き込む事件があったよな。正直に思えば、同じように飲酒するトラック運転手って他にも多そうな気はする。で、こういうニュースを見て俺は呑んでもそんな事故は起こさないとか考えてそう。

  • 飲酒運転は死刑でいい。

 

また、X(旧Twitter)にもこのような投稿が多数ありました。

 

本当にみなさんのおっしゃる通りだと思います。

 

飲酒運転のトラックの犠牲になった子どもたち

この事故の第一報があった時、どうしてこんな事故が起きてしまったのだろう…と原因がとても気になりました。

ただでさえ、トラックがからむ事故が起きた場合に甚大な被害を受けるのは乗用車です。

大型であるだけで危険なトラックが、まさかの飲酒運転だなんて、本当に許せることではありません。

調べていくと、飲酒運転のトラックによって犠牲になった子どもたちが他にもいることを知りました…。

 

八街市の小学生2人が犠牲に…

八街市児童5人死傷事故現場写真
【引用元:NHK事件記者

2021年6月28日、千葉県八街市で下校中の小学生5人に飲酒運転のトラックが突っ込み、9歳と7歳の2人が命を落とし、3人が重傷を負うという信じ難い悲劇が起きました。

事故を引き起こした元トラック運転手も今回と同様に、焼酎約220mlを飲んだ状態で運転していました。

その影響で、運転中に電柱に衝突し、そのまま小学生の列に突入したとされています。

さらに、裁判で明らかになったのは、飲酒だけでなく居眠り運転もしていたという事実です。

まさに二重の過失が、未来ある子どもたちの命を無惨に奪ったのです。

 

この重大な過失に対し、千葉地裁は元運転手に懲役14年の判決を下しました。

危険運転致死傷罪が適用される形となり、厳しい判決が言い渡されましたが、被害者家族にとっては到底「十分」とは言えないものだったでしょう。

公判中、被害者家族は「一生許せない」と涙ながらに語り、その苦しみと悲しみがいかに深いものであるかが痛感されました。

 

事故現場では今もなお、犠牲となった子どもたちを悼む声が絶えません。

交通事故は、家族や友人、そして多くの人々の未来を一瞬で壊してしまうものです。

ましてや飲酒運転など言語道断であり、社会全体で交通罰則を強化し、命を守るための行動を徹底していく必要があります。

 

事故に巻き込まれた幼児を思うと…

母親のお腹に耳をあてる幼児

千葉の八街市、そして今回の伊勢崎市の事故にしても、飲酒運転という防げるはずの過失が取り返しのつかない結果を招きました。

 

8月に出産を控えた残された母親の悲しみを、容易に想像することはできません…。

母親は、ニュースの取材で弁護士を通じて胸の内を次のように明かしました。

 

飲酒運転と聞き、怒りと悔しさが込み上げてきました。

3人にどう報告すればいいのか。

もっと生きたかっただろうと思うと、やるせない気持ちでいっぱいです。

【引用元:TBS NEWS DIG

 

ドライブレコーダーの映像には、トラックを避けようとしているワンボックスカーが映っていたとの報道もありました。

家族を守るために、そして、楽しみにしていた生まれてくる子どもに会うために必死になっていた父親の姿を思い浮かべると、無念でなりません。

 

関係しているすべての方の苦しみや悲しみを考えると、本当にいたたまれない気持ちになります。

どうか1日も早く悲しみの中から立ち直られますように、祈念してやみません。

謹んで亡くなったご家族のご冥福を心からお祈りいたします。