緊急事態条項って何？メリット・デメリットをわかりやすく解説！

「緊急事態条項って何？」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

近年、憲法改正の議論の中で注目されているのがこの「緊急事態条項」です。

災害や武力攻撃などの非常時に、政府の権限を一時的に強める制度ですが、知らないままでは判断を誤ってしまう可能性もあります。

この記事では、「緊急事態条項って何？」という基本的な疑問に答えながら、制度の仕組みや背景を丁寧に説明し、メリットとデメリットをわかりやすく解説します！

さらに、緊急時にどう役立つのかというメリット、そして私たちの自由や権利に与えるデメリットもわかりやすく解説していきます！

『緊急事態条項』って何？をわかりやすく解説！

まずはじめに、よく勘違いされている

「緊急事態宣言」と『緊急事態条項』

の違いから解説します！

「緊急事態宣言」とは？

政府が区域と期間を決めて、「法律に基づいて発令する宣言」のこと。

コロナ禍でいうと、

・不要不急の外出は控えてください
・20時以降お店は営業しないでください
・コンサートは開催しないでください

といった自粛や停止、必要な協力を要請する「法律に基づいて発令する宣言」です。

『緊急事態条項』とは？

今の日本国憲法の中に存在しない「憲法」のこと。

このように、

・緊急事態宣言＝「法律に基づいて発令する宣言」
・緊急事態条項＝「憲法」

という大きな違いがあります。

なぜ『緊急事態条項』を作る？

首相を始めとする自民党は、憲法を改正してこの『緊急事態条項』を新しく作ろうとしています。

それはなぜか…

『緊急事態』になった場合、内閣に強大な権力を与えるものだから。

戦争？
テロ？
自然災害？

それは…

内閣が自由に決められるのです！

そうなんです！
そんな内容の「憲法」を新しく追加しようとしているのです。

「法律」と『憲法』の違いは何？

では次に、「法律」と「憲法」の違いについてわかりやすく解説！

「法律」とは？

私たち「国民」が守るべきルール。

「憲法」とは？

議員や公務員など、政治的に力を持つ「権力者」をしばるためのルール。

憲法改悪
緊急事態条項を入れるのは
ライオンに檻から出れる魔法の鍵を渡すのに等しい

ライオンが暴れだしたら、
止める術がない
檻に戻すのは大変

檻≒憲法、ライオン≒国家権力
(檻を中のライオン、楾大樹、かもがわ出版)

自民党の総裁選候補はどちらも推進派#ヤバすぎる緊急事態条項 pic.twitter.com/kW4RrMI8m9

— まんはったん (@manhattandearu) September 5, 2018

ヒトラーが使った『緊急事態条項』！

歴史を振り返ってみると、『緊急事態条項』は乱用されてきました。

ナチスのヒトラーが独裁政権を手にしたのも、この『緊急事態条項』を使ったから。

戦前の日本も、大日本帝国憲法の時に

『緊急勅令（きんきゅうちょくれい）＝緊急事態条項』が繰り返し何度も使われました。

最終的に軍事独裁となり、侵略戦争へと突き進んでいきました。

そして、結果として第二次世界大戦では、310万人以上の日本国民の命が奪われ、2000万人以上のアジアの人々が殺害されました。

今の日本国憲法では、

このような歴史を踏まえ、あえて緊急事態条項が作られなかったのです。

『緊急事態条項』のメリットをわかりやすく解説！

緊急事態条項のメリットを一言で表すと、

大災害や戦争などの非常時に、政府が素早く対応できるようになる

ということ。

つまり、「もしもの時に、命や社会を守るための迅速な対応ができる」というのが一番のメリットです。

『緊急事態条項』のデメリットをわかりやすく解説！

では次に、緊急事態条項のデメリットを一言で表すと、

政府の権限が強くなりすぎて、民主主義や人権が制限されるおそれがある

ということ。

では、

もし今『緊急事態条項』が使われると、私たちの生活はいったいどうなるのでしょうか？

①預金封鎖と財産没収

「日本は財政赤字で破綻した」といって、国民の財産を没収できる

②兵役の義務・強制

「ロシアが北海道を侵略してきた」といって、成人男子を戦場へ送れる

③通信の秘密が消失

「テロの危険がある」といって、国民の通信を傍受・監視できる

④知る権利の剥奪

「緊急事態だ」といって、SNSを封鎖し、マスコミの情報を政府の都合で厳しく限定できる

⑤言論の自由を封殺

「緊急事態だ」といって、SNSで政府に反対の意見を発信する人を、内乱罪で逮捕できる

⑥ワクチン接種の強制

「疫病のまん延防止のため」といって、国民にワクチンの接種を何度でも強制できる

ということがあるかもしれません。
これはほんの一部の例えです。

「緊急」の名のもとに、このようなことを内閣だけで何でも決めることが可能になるのが『緊急事態条項』なのです。

『緊急事態条項』のない国もある

調べていくと『緊急事態条項』がない国のリストがありました。

G7と呼ばれる主要先進国が、日本を含めて4か国（①～④）も入っています。

『緊急事態条項』の代わりとなる「法律」がある

今の日本には、さまざまな法律がきちんと整備されています。

テロや戦争などは未然に防止するのが基本です。

何か起きたときには「事態対処法」や「警察法」があります。

自然災害が起きたときには、「災害対策基本法」があります。

感染症対策には、「感染症対策特別措置法」があるのです。

まとめ

『緊急事態条項』って何？

今の日本国憲法の中に存在しない「憲法」のこと

『緊急事態条項』のメリットは？

大災害や戦争などの非常時に、政府が素早く対応できるようになること

『緊急事態条項』のデメリットは？

政府の権限が強くなりすぎて、民主主義や人権が制限されるおそれがあること

『緊急事態条項』について、このようなメリット・デメリットが考えられるという内容は、残念ながらテレビのニュースなどでは報道がされていません。